売上高経常利益率の説明と改善


売上高経常利益率とは

経営事項審査のY評点指標の1つである売上高経常利益率について説明します。

計算式

売上高経常利益率は以下のように計算します。

経常利益/売上高×100

点数

売上高経常利益率は上限を5.1%、下限を-8.5%とします。その値をもとに経営状況点数(A)を以下のように計算します。

経営状況点数(A) =-0.4650×(X1)-0.0508×(X2)+0.0264×(X3)+0.0277×(X4)+0.0011×(X5)+0.0089×(X6)+0.0818×(X7) +0.0172×(X8)+0.1906 (小数点第3位を四捨五入)

上記のX4が売上高経常利益率ということになります。1%すれば0.0277だけ経営状況点数(A)が改善します。

そこからさらに下記の計算によってY評点を計算します。

経営状況の評点(Y) = 167.3×A +583 (小数点第1位を四捨五)

さきほどの0.0277と167.3を掛けますとおよそ4点の改善となります。

売上高経常利益率の改善

前述の通り、売上高経常利益率を1%改善すればY評点がおよそ4点改善することになります。それではどのように改善すればいいか説明していきます。

経常利益率を増やす

経常利益は売上高から売上原価、販売費及び一般管理費、支払利息等の営業外費用の3つを引いたものです。
※受取利息等の営業外収益は加えます。

一般的にはコストダウンが有効とされますが、コストダウンの必要性は言われ続けてもう何十年も経過しています。もう大幅にコストダウンできる要素は残っていないでしょう。

費用・経費の使い方について

それではどのようにコストダウンを進めていくべきでしょうか。それは費用を3つの要素に分けることです。費用は投資・消費・浪費の3つにわける必要があります。

浪費

浪費はもちろん無くさなければなりません。読んでもいない業界紙の購読料、参加していない何らかの会費など色々あるかと思いますが、それぞれの金額は大きくないため大きな効果がすぐに得られるわけではありませんが塵も積もれば山となります。
ただし、これらを洗い出すのは森を見るのではなく枝葉をチェックする必要があります。決算書の各勘定科目をチェックしても何も見えてきません。会計ソフトを導入しているのであれば仕訳帳が最適だと思います。(総勘定元帳は科目ごとに分かれているので一覧性が良くない)仕訳帳を1か月分目で追って支出をチェックしていきます。これが枝葉のチェックです。ただし毎月発生しない経費もありますので、この作業を12カ月行う必要があります。毎月1日、日を決めてチェックしましょう。それを1年続けると「塵も積もれば・・・」にたどりつきます。

消費

これは必要な費用です。無駄(=浪費)にならないように注意しましょう。例えば、車の燃料費。これは消費です。ただ「忘れ物をしたから取りに帰る」ための燃料費は浪費です。同じ燃料費でも消費と浪費があるわけです。無駄をなくすための取り組みをしましょう。「7つの無駄」が有名です。

  1. つくりすぎのムダ
  2. 手待ちのムダ
  3. 運搬のムダ
  4. 加工そのもののムダ
  5. 在庫のムダ
  6. 動作のムダ
  7. 不良をつくるムダ

投資

浪費・消費の次は投資です。投資とは何でしょうか。それは「自社の強みを伸ばすために必要な費用」です。強みを伸ばすとなれば設備投資や社員教育費用などが思い浮かびますが、それらに加えて、その強みを発信するための広告宣伝費。あるいは取引先との関係を強固にするための接待交際費なども投資と考えられるでしょう。しかし発信しても伝わっていない広告宣伝は浪費。接待しても次の日に全部忘れてしまっている交際費も浪費でしょう。「強みを伸ばす」ためにメリハリをつけて資金を投入しましょう。

強みについて

それでは強みとは何でしょうか。「あなたの会社の強みは?」と聞かれてその場で考えていてはダメです。強みは「決めるもの」です。「うちの強みはこれだ!」と決めて社員と共有してその強みを伸ばすために投資するのです。この辺りのことは拙著「会社を良くする最高のレシピ」にも記載しています。お問合せいただいた方には無料でプレゼントもさせて頂いておりますので、是非ご活用ください。

売上高の上昇による影響

この比率の分母は売上高ですから、売上高を増やせば相対的にこの値は小さくなります。だからといって「売上を増やさないように・・・」と考えてしまえば様々な悪影響が出てきます。大切なのは「売上を確保して利益もしっかり取る」ことです。そのためにも上記の「強み」のことを改めて考えてください。利益の減少は相見積によって起こるわけです。すなわち誰でもできる工事で競争しているから起こるのです。「誰でもできる工事」から「うちにしかできない工事」へシフトチェンジする。それはすなわち「強みを伸ばすこと」なのです。