自己資本比率の説明と改善


自己資本比率とは

経営事項審査のY評点指標の1つである自己資本比率について説明します。

計算式

自己資本比率は以下のように計算します。

自己資本/総資本×100

自己資本(純資産)が総資本のどれぐらいの割合を占めているかを表す指標です。この値が高いほど企業の安定性が増すと判断できます。何故なら総資本のうち自己資本を除くと、残りは負債だからです。この比率が低いと負債への依存度が高いということになります。

点数

自己資本比率は上限を68.5%、下限を-68.6%とします。マイナスの値があるのは自己資本(純資産)がマイナスの場合、すなわち債務超過の状態があるからです。
自己資本比率の値をもとに経営状況点数(A)を以下のように計算します。

経営状況点数(A) =-0.4650×(X1)-0.0508×(X2)+0.0264×(X3)+0.0277×(X4)+0.0011×(X5)+0.0089×(X6)+0.0818×(X7) +0.0172×(X8)+0.1906 (小数点第3位を四捨五入)

上記のX6が自己資本比率ということになります。1%改善すれば0.0089だけ経営状況点数(A)が改善します。

そこからさらに下記の計算によってY評点を計算します。

経営状況の評点(Y) = 167.3×A +583 (小数点第1位を四捨五)

さきほどの0.0011と167.3を掛けますと1.48897となります。すなわち1点の改善となります。自己資本対固定資産比率と同様に、この指標の値はY評点に与える影響が小さいといえます。

自己資本比率の改善

Y評点での影響はそう大きくない自己資本比率ですが、改善はどのように取り組めばいいでしょうか。

自己資本(純資産)の増加

自己資本の増加が効果的です。自己資本のほとんどは資本金と利益剰余金で占められます。すなわち、資本金を増やす増資と利益を出すことが大切です。ただし利益を出しても株主配当等で社外に排出してしまっては利益剰余金が増えませんので内部留保に努めることが重要です。

総資本の圧縮

総資本を小さくすることで自己資本比率は改善します。総資本を小さくする方策としては以下のものが考えられます。

  • 売上債権で不良債権化し回収が不可能なものは貸倒損失として損失計上し売上債権からは削除します。
  • 棚卸資産で実際には使えない資材などがあれば、除却損として損失計上し棚卸資産からは削除します。
  • 固定資産で時価が簿価より低い資産があれば、評価損として損失計上し固定資産からは削除します。
  • 固定資産で実際に使われていないものがあれば売却や廃棄を検討します。売却益、売却損或いは廃棄損として計上し固定資産からは削除します。

上記の4つのうち、損失を計上する場合は当期純利益が悪化します。計上するかどうかは慎重に判断してください。また資産だけでなく負債に着目すると下記の対策も有効です。

  • 借入金の返済による負債額の減額