個人事業主から法人化した際にこれまでの完工高は引き継げますか?


質問

個人事業主で建設業許可を得て営業しておりましたが、株式会社を設立して同一の業種の建設業の許可を得ました。
法人設立時を審査基準日とする経営事項審査の申請で、個人事業主での実績を引き継ぐことができますか。

回答

以下の条件を満たす場合に引き継ぐことができます。

  1. 個人事業主の方の建設業を廃業すること
  2. 事業主が50%以上を出資して設立した法人であること
  3. 個人事業主の事業年度と承継法人の事業年度が連続すること
  4. 事業主が法人の代表権を有する役員であること

引き継ぐことができる項目は以下の通りです。

  1. 完成工事高・元請完成工事高
  2. 平均利益額
  3. 営業年数
  4. 技術職員
    (審査基準日以前6か月を超える恒常的雇用関係(個人事業主の時期に雇用された期間を含む)がある場合に限る)

 

経営事項審査の結果通知書にある利益額は何を表しているのでしょうか?


質問

経営事項審査の結果通知書にある利益額は何を表しているのでしょうか?営業利益や経常利益の額と一致しません。

回答

経営事項審査の結果通知書に記載されている利益額はX2評点の項目ですが、計算は以下の式です。

営業利益+減価償却実施額

これを2期平均して求めます。そのため、営業利益や経常利益の額とは一致しません。

役員の退職金に伴う特別損失と経営事項審査への影響について


質問

役員が退職する際に退職金を支払うのですが、高額になる予定で特別損失として計上するつもりです。赤字決算になる見込みですが経営事項審査への影響はどうなるでしょうか?

回答

財務の数値に係るところですので、経営事項審査ではY評点はもちろんX2評点にも関わってきます。

X2評点

X2評点は自己資本(純資産の部の合計)と平均利益額ですが、ここでいう平均利益額は営業利益+減価償却実施額で算出しますので影響しません。自己資本は赤字決算によって利益剰余金が減少するために減少してしまいます。
減少額が大きい場合、激変緩和措置といって2年平均の値を取れるようになっています。

仮に赤字決算によって自己資本が5,000万から3,000万に減ってしまったとします。

昨年度 自己資本5,000万円のX2の値: 334.5点 ⇒ P評点換算:50.175

今年度、激変緩和措置有なら自己資本は5,000万と3,000万の平均で4,000万となります。

激変緩和措置有の場合:4,000万円のX2の値: 327.5点 ⇒ P評点換算:49.125(1点の減少

激変緩和措置無の場合:3,000万円のX2の値: 319.5点 ⇒ P評点換算:47.925(3点の減少

Y評点

Y評点は下記の8つの指標で総合的に算出されます。自己資本や利益剰余金の減少によって影響を受ける指標を見ていきましょう。
※各項目名は指標の説明ページへリンクしています。

  1. 純支払利息比率(X1):影響なし
  2. 負債回転期間(X2):影響なし
  3. 総資本売上総利益率(X3):総資本の減少により値が向上
  4. 売上高経常利益率(X4):影響なし
  5. 自己資本対固定資産比率(X5):自己資本の減少により値が下降
  6. 自己資本比率(X6):自己資本の減少により下降
  7. 営業キャッシュフロー(絶対額)(X7):影響なし
  8. 利益剰余金(絶対額)(X8):利益剰余金の減少により値が下降

「具体的に○○点減少する」とは簡単には言えませんが、上記のケースを考えた場合にそう大きな変動はありません。

今回のような場合、退職金の額を検討するときに予想決算書を作成して点数シミュレーションを行うことをお勧めします。

ただしシミュレーションは簡単ではありません。行政書士事務所安田コンサルティングでは点数シミュレーションも行っております。お気軽にご相談ください。