入札に参加しなくなったら法定外労災補償は解約しても構わないか?


質問

入札に参加しなくなり経営事項審査も受審しない予定です。これまで加入していた法定外労災補償は解約しても構わないでしょうか?

回答

経営事項審査の加点のために法定外労災補償に加入している企業は多いと思います。もちろん経営事項審査を受審しないのであれば加点のメリットはなくなりますが、「どうして経審で加点されるのか?」を考えてみてほしいのです。加点対象となる条件は以下の通りです。

  1. 業務災害と通勤災害のいずれも対象であること
  2. 職員及び下請負人のすべてが対象であること
  3. 死亡及び障害等級第1級から第7級までが対象であること
  4. すべての工事現場を補償していること

現場及び通勤における事故・災害から自身の職員に加えて下請負人すべてを守ろうという保険なのです。だから「経審を受審しないからすぐ解約!」と端的に捉えないで現場の安全に取り組む姿勢を大切にするのであれば継続することも考えられるのではないでしょうか。「保険料がどおしても・・・」ということであれば条件を見直して保険料を安く抑えてもいいかと思います。

また、これからも建設業界における人材確保は難しくなっていくと思われます。これから入職する人たちにとっても「うちは法定外労災補償にも加入しているから!」は1つの安心につながると思います。

労災保険はすべての現場で加入手続きが必要なのでしょうか?


質問

労災保険はすべての現場で加入手続きが必要なのでしょうか?

回答

建設業は現場ごとに労災保険の加入手続きが必要ですが、小さな工事などを多数手掛ける場合、その都度手続きをしていては面倒です。そのため、以下のような取り決めがあります。

単独有期事業

請負金額1億8000万円以上かつ概算保険料160万円以上の工事の場合は、現場ごとに労災保険に加入することになります。元請業者が加入し、すべての下請業者も含めて労災を補償します。

一括有期事業

複数の小さな工事をひとつの工事として全てをまとめてしまうことができる労災保険の制度です。

一括有期事業の対象は以下の③つの要件を満たす場合です。

  1. 元請工事により、有期事業の一括扱いが出来る区域で実施した工事
    ※大阪であれば大阪府、三重県滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県岡山県徳島県香川県 (赤のエリアは一部のみ)
  2. ひとつの工事の請負金額が1億8000万円未満で概算労災保険料160万円未満の工事
  3. 昨年度4月1日から3月31日までに終了した元請工事を申告すること

 

現場で大工工事を依頼していた一人親方がケガをした。労災となるのか?


質問

現場で大工工事を依頼していた一人親方がケガをした。労災となるのでしょうか?

回答

建設業では他の業種と違って現場ごとに労災保険に加入する義務があります。加入手続きは元請企業が行い、保険適用の範囲は下請企業にも及びます。ただし、下請企業の中で「雇用されている」ものしか対象にならず、事業主、会社の社長や役員は対象になりません。

そのため、質問にある一人親方のケガは元請が加入する現場の労災保険は適用されません。

それでも一人親方が現場で作業する際にケガをすることはありますので、その方自身が労災保険特別加入制度に加入して労災を補償することになります。

労災保険特別加入制度の加入条件は以下の通りです。

  1. 会社の社長や役員の場合
    1. その会社で労災保険が成立していること
    2. 労働保険の処理を労働保険事務組合に委託することで、事務組合を通じて申請を行います。
  2. 一人親方の場合
    1. 会社の社長や役員の場合のAにあたる労災保険は労働者がいないので加入できません。
    2. 一人親方は、その人が加入する団体が適用事業として承認されている場合、その団体を事業主とみなし特別加入ができます。

 

経審で法定外労働災害補償制度の加入とはどのようなものでしょうか


質問

経営事項審査のW評点で加点される「法定外労働災害補償制度の加入」とはどういったものがあたるのでしょうか。

回答

以下のものが「法定外労働災害補償制度」にあたります。

  1. (公財)建設業福祉共済団、(一社)全国建設業労災互助会、全日本火災共済協同組合連合会(旧:全国中小企業共済協同組合連合会)又は(一社)全国労働保険事務組合連合会の労働災害補償制度
  2. 労働災害総合保険又は普通傷害保険で以下の4つの要件を満たすもの
    (要件)次の全ての要件に該当する場合に限り、評価の対象となります。
    a 業務災害及び通勤災害のいずれも補償対象であること
    b 自社職員及び全下請負人が補償対象であること
    c 死亡及び障害等級第1級から第7級までが補償対象であること
    d 全ての工事現場を補償対象としていること

経営事項審査で申請するにあたり、保険証券か加入証明書を提示する必要があります。